2020卒業生による教育実習レポ

教育実習は新入社員研修である!

そんなわけでお待たせしました教育実習レポです。

書こう書こうと思いながら(面倒だった)時間がなかったので書けませんでした。

以下に書くことは私の感想ですので、全てがそうとは限りません事ご了承ください。

また本記事を参考にして教育実習について躁や鬱になっても一切の責任は取りません。

 

前提条件

取得予定:中・高の国語第一種教員免許

形態:中高一貫の(自称)進学校

偏差値帯:コースによるが大体50~60ぐらい

科目:国語(古典)

学年:高校2年

期間:3週間

 

こんな感じです。

ちなみに私は現代文が得意で古典が非常に苦手なので内諾の時に「どっちがいい?」「現代文がいいです!(食い気味)」と答えましたが、元担任が古典だったこと、高校3年時の現代文担当が去っている事から古典となりました。正直うんちです。

 

教育実習が始まるまで

内諾とか色んな準備がありますが、私の場合は担当教諭から「じゃあ期間中の授業全部任せるから、指定した範囲をよろしく」と投げられました。

「一体一回の授業でどのくらい出来るのか」「各々の生徒のレベルがどのくらいなのか」「そもそも何をすればいいのか」という右も左もわからない状態で準備をしたので、正直めちゃくちゃだったと思います。

終われない授業計画、必要のない指導etc

あとあと真意はわかりましたが、人によるところが大きいです。ぶっちゃけめっちゃキレてました。

一般的には1週間ぐらい(長短ある)見学を重ねてから授業となります。

今思ってもよくやったなと思います。

とりあえず必死に授業計画作った事は覚えてます。

 

始まった教育実習

準備期間も終わり、いよいよ実習スタート。

残念ながら実習生に人権などありません。

いわゆる何でも屋です。言われたことは何が何でもやりますし、言われてない事も察してやります。

私の担当は体育系の部活顧問だったので昼から丸投げなんて普通です。「じゃあ部活行くからあとよろしく~」と何度言われたことやら。

あと、実習生には最低限しか連絡も回って来ません。「あれ?言ってなかったっけ?」なんてザラです。

もちろん担当に寄りますが、恐らく全員が口を揃えて言うのは「こいつら本当に社会人なのか?」と「教員の仕事量多すぎ」だと思います。

その話はまた後でしますが。

 

さて全部丸投げをされた私の1週間当たりの授業数は約13コマの3週間で計39コマ。

1日は担当の公休日があるとして5/6で1日約3コマです。頭おかしなるで。

しかもなんやかんや授業計画が終わらないで増やしてもらったりで40コマぐらいはやってたはずです。よく頑張ったな。

ちなみに初日の月曜日は2.3.5限の授業。しかも担当は部活の朝練に行くので、会えるのは1限始まってから。

なーんにも分かんない状況で、まともな相談も出来ずに初授業スタート!

まともな授業が出来るはずがありません。4です。絶望的な授業でした。

 

ところで偏差値50~60と書きましたが、みなさんのイメージはどうでしょう?

流石の私も「古典の動詞形容詞形容動詞の活用形ぐらいは出来るやろ~」と思ってました。ええ、舐めた小テストをやるまでは。

担当した3クラスを簡単に分けると賢い方の文系・賢い方の理系・普通ぐらいの文系という評価です。一応は。

では、文法書を白抜きにした小テストをやった結果です。

 

賢い方の文系:最低限は出来る。たまに苦手な奴がいる。

賢い方の理系:出来ないやつが多い。たまに絶望的なやつがいる。

普通ぐらいの文系:絶望的な奴が多い。稀に出来る奴がいる。

 

ええ、そうなんです。これが実情です。唖然としましたね。

助動詞が出来ないのはわかってましたが、これすら出来ないのは絶望でしたね。ここからか・・・と。

これにより私の授業計画は全て破綻。自転車操業的な計画スタートです。

悪夢の一週間でしたね。

 

生徒とはお互い探っている状態です。ただ「この先生大丈夫か?」とは思われていたでしょうし、私も「この母校大丈夫か?」と思ってました。

イケメンの同期先生は早速ハートをつかんでましたね。そりゃそうよ。

 

やらかしたある日と体育大会(の準備)で露呈した教員の良くないところ

さて2週目です。

覚束ないとはいえ、ある程度は形になってきた私の授業で事件が起こります。

それは課題出してると思ってたら出してなかった事件です。

賢い方のコースは人数が少ないので合同授業を行う事が稀にあります。そしてそのために全てのクラスで基本的には一定水準かつ一定進度を

守りながら進めているのです。

そんな中で行われた合同授業。

進度は合っていたのですが、片方には課題を出して、片方には課題を出していなかった。

しかも課題を前提とした授業構築をしていたのでもうパニック。

ひたすら黒板に本文と訳を書くだけの授業をしていたということを今でも鮮明に思い出せます。

しかし、授業後の教諭からは「よかったな」という意外な一言。

訳を聞くと「1週目に見学してるやつは、これを3週目の研究授業直前にやらかす」「逆にお前は2週目にやれたんだから、あとはいくらでも軌道修正出来るだろ」と。

「なるほどな~~~~~~」と思いましたね。

心が救われた瞬間でした。

 

生徒たちからは「怒られた?」と聞かれたので「ボコボコに泣かされた」と答えておきました。

ちょっとずつ仲は良くなってます。

 

良い話の後は悪い話です。

2週目に体育大会があって、その準備の為の打ち合わせはもちろんあるわけです。

その打ち合わせには実習生も参加するわけですが、始まる前に厳しく「寝るな」「背筋は伸ばせ」「ちゃんとしろ」と言われるわけです。

じゃあ当の教員は?となると・・・

 

さあ始まりました!体育大会の打ち合わせ!

実況は私、もやしが行います。

あーっとスタート時点から後で固まってる教員が肘をついています!これはいけません!

しかも斜め前の教員は携帯を触っています!どういうことでしょう!

そんなことにもめげずに体育大会担当の先生は話をしています。健気ですね~。

おおっと、後から何か聞こえてきたかと思えば雑談をしてるではないですか!実習生への注意はどうした!

しかも携帯を触っていた教員は居眠りを始めました!救えませんね。

そうこうしているうちに体育大会の打ち合わせが終了し、次は別の打ち合わせが始まりました!

 

おおっと?始まりからなんJもびっくりのレスバだ!管理職側も教員側も全く建設的な議論が出来ていません!子供の喧嘩か?????

挙句の果てには教員側が「やってられんねーわ」と言い出しました!これはなんてことだ!これが実習生の前でやる打ち合わせなのか!?

ここで管理職側が何か動きを見せました・・・なんでしょう?

切り札「今後検討します。これにて解散とします」の登場だあああああああ!

これを出されては試合を終了せざるを得ない!あっけない幕切れだ!

以上を持ちまして実況を終了させていただきます。

 

ということでね。そういうことです。

我々は子供の時に憧れていた教員なんてこんなものですよ。

40,50のおっさんがなんJもびっくりのレスバやってるんだから。

良いところしか見えていないというのは怖いですね。

そういや就職して数週間が経って、何度か会議を見ることがありましたが、弊社でこれ以上のものを未だに見たことはありません。

どういうことなんだろうね?

 

研究授業と終わり

3週目です。ある程度授業感覚も掴めて、時間が余ることも足らない事もなく進められるようになってきました。

何とここまでエナジードリンクを一回も飲んでません。周りは飲んでたそうですが。

さて、教育実習には研究授業というものがあります。

自分の授業を色んな先生方に見てもらうイベントです。いわゆる「私は実習でここまで出来るようになりました」というやつですね。

もちろんこれは相談して、いつ・どのクラスで行うか決めるのですが、担当教諭は「普通ぐらいの文系」でやれ、私は「賢い方の文系」でやりたいと意見が分かれます。

結局は私の意見を尊重して「賢い方の文系」でやることになりました。

上手くやれたのかと聞かれると、大成功という感じですね。

もちろん節々でおかしなところはあったと思いますが、基本的にはどの先生からも「いいんじゃない?」というお墨付き、しかし担当教諭はご不満の様子。

担当教諭は「色んな先生に見てもらえることなんてないんだから苦手なところでやって、たくさん失敗してアドバイスを貰える方がいいと思って、向こうを薦めた」「あのクラスで上手にできるのはもう知ってるだろ」とご意見。

正直わからなくもないけど、ゼミの教授やら校長先生や教頭先生も来る授業でボロボロの授業やってもなぁというのが個人的な意見です。

たぶん私はこの先生とは決定的に合わないんだろうなとここで確信しましたね。まぁ担任の時から苦手でしたが。

 

そんなこともありつつ、無事実習終了。

授業範囲が終わらずに怒られるとかもありましたが、結果的にはまぁ何とかなったかなと。

生徒とも何人かとは仲良くなりましたし、貴重な経験にはなりました。

まぁ母校では絶対に教員になりたくないんですけどね!

色んな先生方から「教員になるの?」と聞かれたので「社会人になってから教員になろうと思いますぅ~~~」とか言ってましたが、腹の中では「実習して余計に教員なんざなりたくなくなったわ」と思ってました。

 

そして世のご両親様にどうしてもいいたいことがあります。

 

教員の仕事はくっそ多いんだから、家庭の問題を学校に解決させようとするな!

ましてや躾ぐらい家でやってくれ!出来ないならある程度の事には目を瞑れ!

 

無理ですね。教員の仕事なんてただでさえ多いのに、無理です。

18時ぐらいに電話しておいて「どうして担任の先生はもう帰ってるの!」とかアホですよ。

他にも「せんせーに他の予備校薦められたのでやめまーす」なんて言うな!オブラートに包め!

とにもかくにも教員はブラックです。オススメしません。

でも、やりがいはめちゃくちゃあります。

やりがい搾取です。気をつけましょう。

 

以上、教育実習に行って「やっぱり俺には教員は最終手段だわ」と思った人の実習レポでした。

 

最後の最後に

俺も実習行くまでは「内定なかったら、教員の勉強するか・・・」って思ってたから、最初から教員と就職のどちらかに絞るのはやめた方がいい。

それに一度でもやりたいと思ったという事は、今後もしかしたら教員がやっぱりやりたくなる時が来るかもしれないから、その時のためにもちょっとでもやりたい気持ちがあるなら取っておくことはオススメします。

世の中の先生方や教員の卵の皆さん、頑張ってください。応援しています。